棚卸しすることで見えるもの

棚卸しと聞くと何を思い浮かべますか? 一般的には経営の用語で在庫の棚卸しという表現が理解しやすいと思いますが今回の「棚卸」は仕事の進め方での棚卸です。

過去のブログにも書きましたが経営を進めてきた上で大きな転換をしました。それは安売りからの脱却です。父の代から受け継ぎ日本でメガネ安売りの「草分け」と言われるメガネドラッグさんの名古屋支店としてスタート。東海地区に激震を持ち込んだとして眼鏡業界からバッシング受けながらそれでも安売りを貫きいわば親子2代で骨の髄まで染み込んだメガネの安売り一族として生きてきました。

ところが2001年ゾフ ジンズなどの低価格ロープライスが台頭してきて 骨の髄まで染み込んだ安売りの名にかけてこれに対抗しようとしました。

そもそもの話として いま思い返すとディスカウンターがロープライスと喧嘩したのが間違いでした。この2つを混同して同じ「安売り」と思われている方が多いようなのでここで補足します。

ディスカウントというのは 元になる価格(当時は定価。おもにデパートでの販売価格。しかもメーカーが決めていた!)ものに対して○○%引 〇〇割引と謳ったものがディスカウントになります。定価で一定の利益が見込めるものに対して割り引くわけですから当然利益率が落ちます。ここが重要で利益率は落ちるのです。

ロープライスは最初に設定するのが利益率であり、これを崩すことはしません。利益率 価格の設定をした上で対象となる商品の仕入れを決めます。多少の順序の違いはあっても利益率は確保されます。 上場企業の決算書をみればわかりますが 5000円で売っていても70%の利益率があります。これはすごいことです。但し7割利益があるということは原価は3割つまりフレームとレンズで1500円しかかけられないということがわかります。

ディスカウント商品は有名メーカー品 ブランド品が基準になるためその品質は高いことが前提になります。

ロープライスは何かしらを端折らないと原価が抑えられないので言い方悪く言えば何かで手を抜きます。それが企業努力といえばそうなのですが・・・

この業界でいえば 我々が扱って来ている商材は、樹脂板材から切り抜いて削って磨きかけてつくる もしくは硬くて高価なチタン材をつかって丁寧に仕上げたものを販売してます。それに対してロープライスでは鋳型をつくりそこに溶けたビニールを流し込み量産しやすくして表面に塗装をかけることでカラーバリエーションを増やす。 金属フレームについてはチタンを使わないという手を取られました。

当然 素材の色ではなく 塗装すると使っている間に「色剥がれ」は大量に出ましたし。チタンでなければ重量はおもくなり もっとひどいのは「サビ」が出てアレルギー反応するお客サンがいました。

検査についても同様なローコスト対処がされました。効率を求め徹底して何かしらを削除する手法です。

話をもとに戻して利益率を落としてさらにロープライスに対抗するためにさらに引き下げる対抗策はやる前から勝負は見えており、結果既存メガネ店でのロープライス対応はどんどん姿を消していきました。

こんなこと続けていられない・・・でも何をどうして良いかわからないという中でたどり着いたのが藤村正宏先生の主催するエクスペリエンス・マーケティングの考え方でした。

これについては実際興味のある方は本を読まれたほうが良いです。おすすめはこちら

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安売りが骨の髄まで染み込んだ側に立っていたものとしては 当初ありえへん話でした。その現実を確認するために行ったエクスマ塾で気になったフレーズに出会いました。それが・・

カメラのキタムラさんはカメラを売っているのでなくて思い出を売っている。

というくだりでした。はっきり言って何を言っているのかわかりません。ところが藤村先生の話をじっくり聞いていくとキタムラさんはカメラ・アルバム等の販売をしながらお客様に届けているのは「思い出」なんだということ。

これには衝撃でした。 安売り 物売りこそが正義だとずっとおもってましたから。では・・

メガネプラザはメガネの販売を通じて何をお客様に届けてる?

この疑問にぶち当たります。

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社内公募した結果

メガネプラザがお届けするものは「元気の素」ということに決定しました。

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実際この活動は先の藤村先生の「マンガでわかる 安売りするな 価値を売れ」に載せていただき、それはそれは大光栄な出来事として会社を上げて喜んだものです。

ただ マヌケなのはそれで終わっていた・・・ということです。

はたからすれば 元気の素を提供すると言っておいてそれで会社はどうなったのかということです。 はっきり言えば お題目決めてそれで満足してました。 藤村先生すみません。

反省を踏まえて今やり直していることは

メガネプラザ グラスヒュッテは「元気の素」を提供するお店である・・その前提としてスタッフそれぞれの「元気の素」はなんですか?という振り返りです。

私を例にすれば

  • バンジョーを日がな一日弾いていること。
  • ぴーすけ(インコ)と遊ぶこと。
  • アジトの浜でぼんやり過ごすこと。
  • エクスマにいくこと。
  • 仕入れに行くこと。
  • 近藤先生と話すこと
  • 沖縄に行くことなどなど それなりにボロボロ出ます。

周りに元気の素を提供する前に 自分がしっかり元気でないと本末転倒です。 こうして自分自身を棚卸しすることで いらないものを見つけたりわかったりすることがあります。

その上で

メガネプラザはメガネを通じて人々を心身ともに元気にする店に働くスタッフとして「今日一日実際何ができたのか」を仕事を終えたときに聞きます。

最初は何言ってるかワケのわからない状態が だんだん自分で納得行く答えをすることができるようになります。 (多分)

重要なのはお題目の作成で評価されることではなくて せっかく評価されたお題目を「使いこなして」理想とする会社づくりができることなのだと思います。

どこまで行っても社長の自己満足と言われるかもしれませんが わたしはそれでいいとおもってます。

 

投稿者プロフィール

上田唯司
上田唯司
 名古屋を中心に「メガネプラザ」「グラスヒュッテ」を展開する株式会社東和工業の代表です。 
内面の色気を引き出す「最幸の色メガネ」で、かける人を「元気」にしたいと願いながら仕事をしています。
 私が入れ込んでいる趣味の話 最近気になっている話などなどをつれづれなるままに書き記していきます。

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